2019年、「仮面ライダーウィザード」で、仮面ライダーウィザード/操真晴人役に抜擢されると、たちまち脚光を浴び、以降、テレビドラマ、映画、舞台などに多数出演している一方で、演出家としても活動している白石隼也(しらいし しゅんや)さん。
そんな白石隼也さんは、近年、表舞台に登場することが少なくなったため、演出家としての活動に専念するために俳優業を引退したのではないか、との噂があります。
今回は、白石隼也さんが本当に俳優を引退して演出家に転向したのか、また、演出家になったきっかけ、演出を手掛けた作品をご紹介します。
白石隼也は俳優を引退して演出家に転向?
白石隼也さんは、2022年から、映画や舞台の演出家としても活動しているのですが、この年には、俳優として、「かしましめし」「勝利の法廷式」「ペンディングトレイン」「テイオーの長い休日」、2024年には、「蜜と毒」「恋をするなら二度目が上等」などのテレビドラマに出演しており、俳優業を引退していません。
つまり、白石隼也さんは、俳優業を引退して演出家に転向したのではなく、俳優業と演出家を兼業しているのです。
白石隼也が演出家になったきっかけは?
そんな白石隼也さんは、2021年、短編映画「そそがれ」で、初めて監督・脚本を手掛け、2023年には、「The Mysterious Stranger( ザ・ミステリアス・ストレンジャー)」で、初めて舞台でオリジナルストーリーによる演出・脚本を手掛けているのですが、
演出をやってみたいと思った理由について、
きっかけは「この作品(The Mysterious Stranger)を表に出したい」という欲求でした。今回の舞台もとてもユニークな原作ですし、「この作品を世に出したいけれどそう考えているのは僕くらいしかいないのではないか」と思っていたから。
これは自分でやるしかないと動き出しただけでした。何年か前にWOWOWでショートフィルムを撮ったのですが、それもやりたい作品があったから監督を務めたんです。
演出をやりたい、ディレクションをしたい、というそもそもの欲求は「この作品を世に出したい」という想いが形になったからこそということで間違いないです。もちろん演出をすることの面白さを感じてもいますけれども。
と、語っています。
ちなみに、この「The Mysterious Stranger( ザ・ミステリアス・ストレンジャー)」ですが、実は、白石隼也さんが20歳ぐらいの時、神保町の古書店巡りをし、普段は手に取ることのない本を手当たり次第に買い漁っていたところ、
ふと、目に止まったのが、マーク・トウェイン原作の「不思議な少年(原題・The Mysterious Stranger)」だったそうで、手に取ると、この作品をどうしても世に出したいと思うようになったのだそうです。
(マーク・トウェインは、アメリカ文学を代表する児童文学作家で、「トム・ソーヤの冒険」「王子と乞食」などの著書が有名ですが、この「不思議な少年(原題・The Mysterious Stranger)」は、マーク・トウェインが晩年に残した怪作です)
また、白石隼也さんは、それほどこの本に惹かれた理由についても、
大人の社会の中にいながら「大人はわかってくれない」という感情を抱きつつ反骨精神を持って自分なりに抵抗もしてきたけれど、やはりその大人と向き合わなければならず、もがき苦しんでいた時代に出会ったアメリカでとても尊敬されている作家マーク・トウェインが晩年に書いたとてもペシミズムに満ちた作品です。
僕が抱えていたモヤモヤとした負の感情を全部言語化してくれていて、読んですごく楽になったことを憶えています。それからずっとこの本は僕の心の中にあって、巡り巡って舞台をやるようになったことで舞台化することとなりました。
と、語っています。
白石隼也が演出を手掛けた作品は?【演出作品一覧】
それでは、最後に、白石隼也さんが演出を手掛けた作品をご紹介しましょう。
2016年 テレビドラマ「グッドモーニング・コール GMCスピンオフ~阿部編~」(監督・脚本・出演)※ドラマ「グッドモーニング・コール」のBlu-ray / DVD BOX2に、特典映像として収録されています。
2021年 短編映画「そそがれ」(監督・脚本)
2022年 舞台「脳内ポイズンベリー 第0幕」(演出)
2023年 舞台「The Mysterious Stranger ザ・ミステリアス・ストレンジャー」(演出・脚本)
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
20歳の頃には、大人の社会の中にいながら、「大人はわかってくれない」という感情を抱いて抵抗しつつ、その大人と向き合わなければならない現実にもがき苦しんでいたという白石隼也さん。
そんな時に、偶然、本屋で手にした、マーク・トウェイン原作の「不思議な少年(原題・The Mysterious Stranger)」が、自身が抱えていたモヤモヤとした負の感情を全部言語化してくれていて救われ、この作品を世に出したいと思ったのが、演出をするようになったきっかけだったのですね。
演出も演技も両方こなす白石隼也さんが、これからどんな作品を見せてくれるのか、楽しみでなりません!